第9章 大好きのカタチ
【 ニノside 】
「なんだ?これ……」
そう言いながら俺は
貰ったばかりの会報を放り投げて
ソファーにごろんと寝そべった。
俺たちは今、結成20周年を記念して
ファンの子たちに感謝の気持ちを伝える
という企画のひとつとして、
ファンクラブの会報を
一人ずつ順番でプロデュースする……
というのをやっている。
その一発目は、翔ちゃん。
zeroのスタジオへお邪魔した。
『俺は3回目だ!』って……
一度もお呼ばれしたことのない俺たちに、
ドヤ顔でやたらと自慢していた大野さん。
はいはい(^^;
櫻井翔に関して、あなたと勝負しようなんて、
端から思っちゃいません、って。
しかもさ〜
翔ちゃんの部屋に飾ってもらおう、
なんて盛り上がって作った
『スノードーム』
そこにあの人…大野さんさ、
『大大大好♡き』
と、書ききった!
まあ、ある意味あっぱれだよ~?
そこまでいけばさ。
それに長年かけてじわじわと、
ファンの子に染み込ませた、
『櫻井翔大好き』キャラ…
だから、好きだっていう大野さんの言葉さえも、
きっとファンの子は、
『全くもう~、智くんってば(*^-^*)
ドンだけ翔くん好きなのよ~♡』
くらいに…好意的に受け入れられてるくらいだ。
何も考えてないで、
ちょこちょこ本音で
やってきただけなのかもしれないけど。
お見事です!
としか言えないよ~
大野さん。
それを見習って、俺だってさ。
出来るだけさり気無く、
自然に少しずつ入れ込んでったんだよね~
俺の場合は、大野さんと違って
もちろん計算…
『仲良し末ズ』
『総武線コンビ』
仲良く自然に側にいてもおかしくない様に…
微笑み合ってもいやらしさ、漏れ出ない様に…
これでも苦労してんのよ~?
ホントに。