第6章 甘い夜のための刺激的なスパイス
【 智side 】
木曜日の夕方。
俺は翔ちゃんと二人でキッチンにいた。
こんなに早い時間から一緒に夕飯の用意ができるなんて、大袈裟じゃなく、年に数回なんだ。
何しろ、うちの翔ちゃんは忙しいからね~
バリバリ仕事してる時は、ホント嬉しそうでさ~(^^♪
↑あなたも見習ってくださいよ~…
「翔ちゃん、大きいお皿出してきて?」
「はーい!」
料理の時の主導権は俺。
キッチンでは翔ちゃんは可愛らしいアシスタントになる。
まあ、料理が少し苦手なせいだけど…
↑少しじゃないよね~?
「これ、上手に盛り付けて!」
「はーい!!」
サラダの盛り付けを頼んだ。
今日のサラダはレタス、トマト、キュウリ、ワカメ。
そこに、サーモンを乗せたカルパッチョ。
翔ちゃんが盛り付けてる間に俺は、メインディッシュのピザを焼く。
生地から作った本格的なやつだし!!
前にロケで作ってるから、自信あるんだよね~♪
ベーコンやピーマン、薄く切った茹で卵と、
モッツアレラチーズをたくさん乗せて…っと。
これで焼けばOKだ!
焼けるまでの間に、グラスとか用意しちゃおうと思って、視界の隅っこに翔ちゃんが盛り付けたサラダが入った。
そのままスルーしようとして立ち止まり、
視線をゆっくり、サラダに戻す…
………あの、これって…
ガラスの丸い器の上、
不思議な形に盛られた野菜たちの叫びが聞こえる…
「できたよ?どう、これで…」
「…あ、うん…これ、テーマとかあるの~?」
怖いもの見たさで聞いてみる。
「よくぞ聞いてくれました!テーマは『宇宙』
なんか、それっぽいでしょ?」
と、ドヤ顔の翔ちゃん…
どうやら、ふざけてる訳じゃないらしい…(゜゜)