第5章 こうなる運命
それから、雅紀は翔ちゃんとの昔話をしてた。
付き合ってるとき、優しかった、とか。
楽しかった旅行の話とか...
もう、そんなの聞きたくないんだけど(-_-;)
翔ちゃんに助けてもらった。って...
ありがとうって、何度も繰り返す相葉さん。
切っ掛けをくれたのが俺だったからって...
まあ、そうなんだろうけどね。
俺そん時はもう、翔ちゃんとは、関係解消してたし。
相葉さんが、傷付いた大野さんに、翔ちゃんを送り出したのとは、大分訳が違うって思うんだけど...
「もう帰ろうよ...送ってくからさ...」
「いいよ!!大丈夫、次に行こうよ~!!」
「やめようってば...」
「いいから!!行こうよ!」
相葉さんに手を引かれて店を出た。
「俺、タクシー捕まえてくるよ!」
あんなに酔ってるくせに、足取りはしっかりしてて。
通りまで駆けていく相葉さんの背中を見送りながら、俺は店の軒先で雨を避けていた。
すると...
タクシーを捕まえようとしてる彼を見て、顔を上げていた俺に、酔った若者たちが気が付いた。
「あれっ??嵐のニノじゃね??」
...ヤバいかな~...
そいつらは、どちらかと言えばガラが悪く、難癖つけてくる匂いがプンプンした。
「...あ、はい..」
無視すんのも何だから、一応返事をすると、
「俺たちと飲もうよ~?」
...やっぱりだ///ここは、早めに切り上げなきゃ。
「今日はもう、帰るんで...」
タクシーを拾いにいった相葉くんが帰ってきても面倒なので、俺はその場を立ち去ろうとした。
その時。
「何だよ...すかしてんじゃねーぞ///」
一人が俺の手首をぎゅっと掴んだ。