第2章 消えてしまった
あたしはこのまま死んだ。
誰にも愛されず。
不幸で、理不尽なこの世から旅立った。
知らない間にあたしは不幸になり、誰にも愛されてなかった。
「鬼さんこちら手のなる方へ」
どうせお前は鬼なんだから。
そんなこと告げる君の方がよっぽどあたしより鬼みたいだ。
また生まれ変わったら真っ先にパウリーに会いたい。
今度は愛されたい。
愛してくれる親の元に生まれたい。
不幸なんて滅多に無く、虐待しない親に恵まれたい。
それか、パウリーの子どもに生まれたい。
あたしが消えてもあの人だけは生きてほしい。