第3章 -おねだりデート-(及川徹)
「やぁっ…」
「あっれー?まだ何もしてないのに?」
「…っ‼︎」
ニヤリと意地悪な笑みでわたしの顔を覗き込んでくる及川さんに何か言ってやりたいけど、何も言えなくて、わたしは及川さんを睨むコトしかできない。
「かーわいっ♡」
「ぁっ…んん…やぁっ…ダメ…ッ…」
わたしが何もできないのをいいコトに、及川さんは執拗に攻めてくる。わたしは立っているのがやっとで、及川さんの腕にギュッとしがみついてしまう。
「いつもよりスゴいんじゃない?」
「やっ…んん…お…及川さんのせいじゃないですかっ…ぁっ」
「…っ⁈ほーんと、不意打ちで可愛いコト言うんだから…」
「…っ⁈」
急に手を止めた及川さんにキスをされ、パンツを一気にズラされてしまう。角度を変えながらの止まないキスは、力強いけど、恥ずかしくて堪らないこんな時でも、優しさを感じた。
でも…及川さんの熱く大きくなったモノが押し付けられている。
無理強いされるわけでもなく、自然に二人でベッドになだれ込み、そのまま無我夢中でキスを続け、これ以上離れられないというように、お互いに触れ合った。
「…いい?」
「…うん。」
ダメなわけがない。ほんとは及川さんが欲しくて欲しくて堪らなかった。
「すみれ…大好き…」
いつのまにか避妊具を装着した及川さんは、ゆっくりわたしの中に入ってきて、今度こそ一番近くで及川さんを感じる。
「んっ…あっ…わたし…も…っんん…大好き…です…」
及川さんはわたしのことばを確認すると、もう一度キスをしてから、二人同時に果てた。
ギュッと抱き締めてくれる及川さんの腕の中は、いつのまにかわたしを癒してくれる特別な場所になっていた。
「こんなコト…もう絶対しませんからね?」
「えー?けっこう楽しんでなかったー?」
「楽しくないですっ‼︎」
「でも、オレは好きだよ?」
「〜っ‼︎ヘンタイッ‼︎」
「そりゃ、大好きなすみれ目の前にしたらヘンタイにもなるよー。」
「え…?」
「すみれの可愛いトコはオレが独り占めするんだから♡」
「…っ⁉︎」
「だから、たまにはまたしよーね♡」
わたしよりも遥かに可愛くおねだりをする及川さん…
次のおねだり…わたしは拒否できるのかしら…
---End---