第3章 桐山照史
お昼時もすぎて落ち着いた海の家、
照史くんはカウンターで
女性と楽しくお話。
彼女は学生時代からの同級生
よく2人で居るのを見た事があるし
何度か恋人になりかけた事もあるらしいけど
事実は本当のところは分からない。
でもよく話の話題に
彼女の名前はよく上がる。
だから好きな人、だろうって分かる。
「〜、なーあ、喉乾いた!」
『飲めば。自販機で買いなよ』
「の作ったもんが飲みたーい」
何だかわがままだなあ、と
しげに頼まれたとおりに飲み物を作り
差し出そうと振り向いた。
そしたらぎゅっと手を握られるから
びっくりして手を強く引こうとしたけど
ビクともしない。
「なあ、一緒に泳ごうや」
へら、と笑ったしげ。
ええやんサボってもさ?と
グイグイ引っ張る
「…あー、ほら!流星たちが
また変にナンパしたら迷惑やんかぁ
濵ちゃんだけやとさ!大変やし!行くで」
走り出したしげに引っ張られ、
私も海へと連れてかれる。
日差しが照りつける砂浜で、
ぎゃあぎゃあ騒ぐ3人のもとに
「おーい!連れてきたでー!」
「おっ、いらっしゃい〜」
「えー。水着ちゃうやん〜」
「レンタル水着とかあったような」
「照史なんか止めとけ止めとけ。
あいつアホやからなぁ。ダメダメ」
それでもずっと隣にいたかった
私を好きではなくたって、
唯一の存在でありたかっただけなのにな
『水着、レンタルしてこよっかなぁー』
end.
「えー!なんでビキニちゃうん!?」
「ワンピース…それはそれでアリやな」
『これしかなかった』
「ない胸隠せるフリルも付いて。」
『うるさい、しげ嫌い』
「えええ!うそやん!ジョーク!!!」
「しげ必死すぎやろ」
「何気に片思いやからなあいつ」
「ぶきっちょや、俺のおしげちゃん!」
「濵ちゃん俺の!!!」