第6章 狙われたS
楽屋にて、ヘアメイク前に着替えを済ませようとした時に、背後から視線を感じた。
誰だかわかっていたので気にしない様にして上を脱ぎシャツを羽織ろうとすると、ストップ!と言われ咄嗟に止まってしまう
「やっぱり良いわね〜。櫻井ちゃんのが一番良いわ。この中だと。」
うんうんと頷きながら舐め回すようにみるこの人はヘアメイクの楓さんでたまにこうやって筋肉のチェックをされる。
「どっか落ちてるとこない?最近ちょっと手抜き気味でさぁ」
前はしっかり鏡で見えるけど背後は見辛いからたまにのチェック中に聞いていたりする。
ここら辺が前よりちょっと小さい。と言ってむにゅっと筋肉を絶妙な力で掴まれ、うわっ。と仰け反るとニノがそれを見て笑っていた
「ちょっとやめてくれません?人の目の前でいちゃいちゃするの」
その言葉で何故かスイッチが入った楓ちゃんが
「えー。良いじゃない。あんただって由梨がここにいたらするんでしょ?いちゃいちゃ。」
そう言って俺の筋肉を掴みまくる。
「ちょっ!マジでやめて!怖い!怖い!」
擽ったいのもあるけど、この迫り方は正に恐怖で慌ててシャツを羽織り距離を置く
「翔くんが襲われてる」
ケラケラ笑いながらそう言う智くんに、その言い方マジで怖いからやめて。と言うと相葉さんと松潤が吹き出していた
「大丈夫よ〜。あ、そうだ!私が手術したら初めての候補に入れてあげるわよ」
そんな事を言うので全力で拒否する
「あ、そうだっ!じゃないでしょ!全然嬉しくないから!筋肉だけで選ばないで!マジで勘弁して!」
更に離れて言うと、クハハッ。と吹き出すニノ
「大丈夫よ。翔さんが喰われること100%ないから。…ね?楓ちゃん」
楓さんが、何でバラすのよ〜。とふんっ。としているのを見ておちょくられていたことに安堵した。
楓さんならマジで言いそうで本当に怖い。
「櫻井ちゃんね。筋肉は良いんだけどね〜。ダメなのよね〜。細い子」
そう言って足を見る
どうやら足が細いのが気にくわないらしい。
「いっつも俺に言ってくるからね。上半身は良いんだけどねー。下半身はねー。って」
思い出し笑いをしながらフフッと笑うニノ
まぁ、とりあえず。
良かった。襲われなくて。
でもなんか。悔しいな。
もう少し鍛えなきゃ。
fin