第6章 《裏》私の侍【志村新八】
生臭い血の香り。
どんどん仲間が死んでいく。
私はただの女。
なのに、なのに天人はー…。
私を拐い、こき使い、使えなくなると捨てた。
だから、今私は江戸でひとりぼっちに歩いていた。
夜中だから人気はない。
ふらふらと歩いていると、
一人の青年が私に近付いてきた。
?「…のっ、あのっ!」
夏希「…?」
?「こんなところでどうしたんですか?一人じゃないですか。」
夏希「…。別に。」
私は、人との関わりかたが分からず、冷たい態度を取ってしまう。
ーーごめんなさい。
でも、その青年は諦めなかった。
?「…じゃあ、僕の所に来ませんか?こんな夜に一人じゃ危ないし、ね?」
夏希「…なんで、そんなに優しくするの?」
?「君が、寂しそうだったから…かな。
あ、まだ名乗っていませんでしたね。僕は志村新八です。」
夏希「私は、黒羽夏希よ。」
新「じゃあ、着いてきてください!」
私はいわれるがまま着いていった。