第3章 《裏》好きなんかじゃない。【阿伏兎】
そして、私が春雨に入団してから6月が経った。
私は、もうすっかりこの第七師団に慣れ、
皆とも打ち解けた。神威団長ともいい関係を築け、
最近では昼によく手合わせしている。
だがその分、阿伏兎とも仲良くなれた。
同室だけあって、
夜になるのが楽しくなったり、
阿伏兎と話すのが大好きになった。
阿「おめーさん随分団員と仲良くなってるじゃねぇか。」
夏希「そうかしら?なら良かった。」
阿「あんまり仲良くしすぎると…」
夏希「?」
阿「俺ぁ妬いちまうぜ。」
夏希「ふふ、なにその冗談。」
初めてそんな言葉を聞いた。
咄嗟に"からかい"だと判断した私は、
阿伏兎に感想を述べた。
阿「俺は元から本気だぜ?夏希。」
急に名前で呼ばれ体が硬直する。
阿「おめーさんに質問だ。
おめーさんは今俺をどう思ってる?」
夏希「えと…。」
阿「"嫌い"か"好き"かだ。」
夏希「…分かんないよ…!」
阿「…は?」
夏希「だって、
阿伏兎と話してると楽しいし、
撫でられると顔が熱くなったり、
胸がキュッでしまったり…。
どうしちゃったんだろ…。」
そこまで聞くと、
阿伏兎は私をベッドに押し倒した。
夏希「阿伏兎?」
阿「夏希。お前は煽ってるのか?」
阿伏兎の顔は紅潮していた。
夏希「どういうこと?」
阿「おめーさんは、俺を好きなんだよ。」
そう言われて胸がキュンとした。
あぁ。これは恋愛感情だったのか。
今やっと気付いた。
そして、猛烈に恥ずかしい。
遠回しに私、阿伏兎に告白しちゃったー…。
阿「やっべ、興奮しちまった。
おい、夏希。
今から犯してもいいか?」
夏希「うん…。」それだけ聞くと、
阿伏兎は私の唇にかぶりついた。