第3章 《裏》好きなんかじゃない。【阿伏兎】
私は夜兎だ。
だが、春雨などという連中とは関わっていない。
だから私は、無所属な夜兎なのだ。
今日も気ままに歩いて旅をする。
だが、ある日春雨と契約する事になるとはー…。
夏希「ふぁぁ…眠い。」
ここは烙陽。
夜兎の溜まり場でもあり、
私の友達の故郷だ。
友達と言っても、
五歳以上下の女の子だが。
何も変わっていない此処に安堵する。
だが、直後。
?「ん?こんなところに別嬪さんがいるぞ?」
後ろを向くと、
格好からして春雨の奴がいた。
夏希「…誰、貴方。」
阿「おっと、まだ名乗っちゃいなかったなぁ。
俺は阿伏兎だ。」
夏希「阿伏兎…」
阿「あぁ。ん?お前さん、春雨でもなけりゃ他の奴でもねぇなぁ。」
夏希「えぇ。
どこにも所属してないし、する気も無いわ。」
阿「じゃあ、俺達と来い。」
……はい?