第1章 柿原徹也 (甘)
『すみません!私、ダメですね。半年前に初めて共演した日からずっと、柿原さんは私の憧れの存在で...迷惑かけちゃダメだってわかってるのに、いざ、本番になると...焦って、結局迷惑かけて...こんな私に好かれても困りますよね!!本当に今日はすみません!今から戻って自分の分だけとりなおしてきます!』
もう、だめだ
「まって!」
『え、?』
ギュッ
『え、ちょ、柿原さ、ん?』
え、私いま、柿原さんに抱きしめられてる?
「私なんかとかこんな私になんて簡単に言うなよ...」
『え?』
「俺さ、みてきたんだよ、ある女の子を。その子さ、収録の日の朝早く来て、台本ずっと読んでて、収録終わったあとも次回の分の練習を夜遅くまでしてて...すっげー熱心な子だなぁって最初は思ってたんだ。けど、日に日にこの子の熱量に惹かれてる自分がいてさ、うわーこの子を俺の彼女にしたいとか思ってたけど、結局こくれなくってさ...けど、ある日、俺の前で泥酔してんのその子。」
『え、それって...』
「だから、俺、これってチャンスじゃん!って思って、けど、結局...家に送ることしか出来なくって...すげー俺後悔したんだわ。...あーもう二度とねぇんだろうなあって、そしたらさ、今日...その子が俺の前で泣いて好きって...ねぇ?分かるよね?」
『うそ、うそ、うそ!!』
そんなありえない、
柿原さんが?私のことを?
「うそじゃないよ、どれだけ俺がこの日を待ちわびたか...」
『だって、ありえな、い、』
「本気だよ?俺は。」
『っ...///』
あ、もう、これが最後のチャンスなら、
『私も...』
伝えなきゃ
『大好きです。』
「ありがとう。...はぁ~すげー緊張したわ!」
『私も、で、す。笑』
「本当に?」
『はい、泣くくらいには。笑』
「俺さ、泣かれた時マジでどうしようかってなやんだ。」
『すみません...』
「じゃあ、お詫びになんかちょうだい!」
え?お詫び?
『お詫びって...』
「ん?こ、こ、に♡」
『ここって...えぇぇ!?!!?』
キスしろってこと?!
『それは、流石に、』
「できないの?」
『うっ、そんな、』
そんな目で見ないで下さい!!
「はーやーくー」
『あ~もう!』
どうにでもなれ!