第1章 柿原徹也 (甘)
私には好きな人がいる。
その人はとてもかっこよくて、
私の憧れで、
でも、私なんかが手の届くわけがない人。
その人は大人気声優の柿原徹也さん。
以前、とある作品で共演した頃から
ずっと気になってる人。
その作品の打ち上げで私が泥酔していたら、
優しく介抱してくれた。
その時から、私はもうこの人しかいないってなった。
でも、告白する勇気もないまま、
ずるずると片思いをすること半年。
私に新しい仕事がきた。
私はヒロインの女の子の役。
そして、柿原さんはその子の彼氏役。
このチャンスを逃したら、
もう二度とこの想いを伝えられない。
私はそう心に言い聞かせ、
収録現場の扉を開けた。