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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第7章 〜小さな恋と、大きな愛 〜 (木兎 光太郎)




二人が
真新しいランドセルを背負い、
小学校に通うようになって3ヶ月。

学校にも慣れてきた、ある朝のことです。

『光太郎、準備、まだなの?
もう出発しないと遅刻…きゃあ!
ちょっと、光太郎、なにやってるの?!』

なかなか洗面所から出てこない光太郎君を
心配して覗きにいったお母さんの叫び声。

『ちょっと、パパ!どうしましょ!』

お母さんの声に驚いて駆けつけた
お父さんの目にうつったのは…

『ありゃ、光太郎、ハデにやったなぁ!』

踏み台にのって
真剣な目で鏡と向き合う光太郎君。
その髪の毛には、パパの整髪料がべったり…

『光太郎、シャワー浴びよう。
ママ、今日は俺が学校まで送るからさ、
ここは大目に見てやって。』

忙しい朝の大騒ぎにプリプリしてるママを
なだめるようにパパが言い、

パパは光太郎君の頭をゴシゴシ洗って
双子を車で学校まで送っていきました。

『光太郎、髪の毛いじらなくても、
お前はそのまんまでもカッコいいぞ?』

『…』

返事をしない光太郎君。

『な、そうだよな、賢太郎?』

こんな時にいつも助け船を出してくれる
双子の兄、賢太郎君に話をふっても、
なぜか今日は、賢太郎君もだんまり。

珍しいな…ケンカでもしたか?
パパはそう思いましたが、車を降りた二人が
自然と手を繋いで走り出した姿を見て

『光太郎の気まぐれはいつものことだし
賢太郎がついてれば、心配ないかな。』

…と、思い直しました。

ところが、
パパのその予想に反して、

光太郎君は、

次の日も、その次の日も次の日も
毎朝、パパやママのヘアグッズを使って
髪の毛をアレンジしようとしては失敗し、

ついに怒ったママが
洗面所のヘアグッズを全撤収した日の夜、

光太郎君は自分の髪に
ザックリとハサミを入れて
ママが悲鳴をあげる…という事態に発展。

仕事から帰ってすぐに
ママからその話を聞いたパパは、

ふてくされた顔とギザギザの頭で
テレビを見る光太郎君と、

困った顔をしているのに
やっぱり今日も何も言わない賢太郎君を
見比べてしばらく考え、

『光太郎、パパとお風呂、入ろう。』

…と声をかけました。



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