第12章 愛しい彼女-翔side-
「今日は?なにしてたの?」
キッチンを借りてカップにインスタントコーヒーを注いでリビングにいるちゃんに持っていった。
『え、えっと…テレビ観たり、
雑誌読んだり…あ、あと仕事の勉強とかを』
「え、まじ?
休みのときでもしちゃうんだ」
自然と隣に座ってカップを差し出した。
それを受け取ったちゃんは冷ましながらカップに口を付けた。
『暇すぎちゃって…
あ、櫻井さんが何回もテレビ映ってて!
CMなんて何本やってるんですか?』
「え、あ、まぁ、一応アイドルだからね?」
『そうですよね、ふふっ』
「ねぇ、ちゃん…そのさ?
よければなんだけど…ていうかね?」
少し間をおいて彼女を見つめてまた話し出した俺
「名前で呼んでくれませんか?」
『え、あ!そ、そうですよね!
恋人同士なのに…名字は変ですよね』
「いや、呼んで欲しいっていうか…
俺の勝手な願望なんだけどね?ダメ?」
なんて言うと急に真っ赤になる彼女の顔
え?俺、なんかした…?(笑)
『しょ…翔……くん…』
「………」
『しょ…翔…?』
「あ"~それはズルいわ~!」
顔を押さえるようにして手で隠した。
"翔"だって…あんま呼ばれないからさ、
芸能界とかでは特にね?
やっぱ良い響きだわ(笑)