第10章 それは甘く、強く
見つめ会うお互いの目が揺らぐ
彼の目に吸い込まれそうになって、
『……私、あなたのことが…』
初めて出会ったときからそうだった。
顔を見た瞬間、胸がトキめいていた。
『………好きです…』
そう。あのときからきっと、
私は櫻井さんに恋をしていた。
「……っ…やべっ…嬉しい」
『な、泣いてるんですか?』
手で涙を拭いてる櫻井さんの顔を覗く
「いや、ちがっ…はぁ、いや本当」
『ふふ…』
「本当に嬉しい……ちゃん」
また重なりあう目、
櫻井さんのゴツゴツした手が頬に触れて
綺麗な顔が近づいてくる。
そして、重なる唇
『んっ……』
この時間が消えないようにと、願うように強く櫻井さんの背中に手を伸ばして抱きしめた。