第5章 この想いは、-翔side-
「うわっ……寒いね、やっぱり」
近くにある海に着くと、まだ春風が激しく俺とちゃんの体に触れる。
『櫻井さんとは、
何か…いろいろありますね、毎回』
「うん、だね」
髪を耳にかける仕草にドキッとする。
中学生かよ、って感じ…
「最初は傘、だっけ?」
『あ、傘!また忘れちゃった…』
「いいよ、いいよ」
『ふふっ…すいません……』
「それで、あとは……」
あ、頬っぺにキスか。いや、これは…
「まぁ、とにかくちゃんが
ひたすら俺に謝ってるね、ははっ(笑)」
『ですね…まぁ、ええ(笑)』
「海、綺麗だね」
『はい、すごく…』
"君の方が綺麗だよ"だなんて、
言えないわ。