第3章 奇跡とは、-翔side-
『櫻井さん、し、失礼します』
「え、あ、はい」
ちゃんが俺の髪に触れる。
その手は細くて白くて、
『櫻井さんの髪、キレイですね』
俺の髪を見てそう言うちゃん
「え?まじ?ははっ、嬉しいね、それ」
『いや、本当に…痛んでないし』
鏡越しに見えるちゃんの目は、
なんかやっぱりプロの目で尊敬した。
「あ!じゃあさ!今日さ!
行かない?ねぇ、行かない?」
衣装に着替え終わった相葉くんが、
またまたはしゃぎながらそう言った。
「どこによ、あなた」
「ん~?だってさぁ今日はこれで終わりだしさ、それならねぇ?二人の歓迎会でもしよ!」
「んぁ?歓迎会なんてしてたっけ?」
「んもぉ!違うの!いいじゃん!
どうせ、このあと暇でしょ?ね?」
なんて無理矢理決まった歓迎会
っつーか二人は仕事なんじゃ…
「ちゃん大丈夫よ~?
竜には言っておいたし、仕事ないし~」
『あ、えっと、あ、えっと』
なんか言いたそうなちゃんを
妨げたのはしやがれのADさんの声だった。
〈嵐さん準備おねがいしまーす!〉