第20章 性悪女は幼稚園児-二宮side-
「バカじゃねーの?
っつーか、むしろバカ!」
「へ、へっ?」
んな、なに言ってんの?みたいな顔して
わかってんだろ?自分がバカって、
「翔さんは、もうあなたが眼中にないの
ただ、同情してただけ…
自殺未遂なんて卑怯な手使うやつに、
翔さんが惚れると思うわけ?
これだからバカは嫌なんだよ。
バカ正直にそういうことして……バカ」
少し息切れがする。
それくらい、早口で怒鳴っていた。
「……っ…ごめん…なさい……っ……」
「もう泣かないでよ、泣く女は嫌い」
「っ……だって……怒るから…っ……」
「はぁ……ワタシも言い過ぎましたよ…
すいませんね?もう言わないから、たぶん」
そういうと泣きながら"たぶん?"なんて
まだ余裕たっぷりに言う性悪女
「翔さんを自由にさせてあげてよ
もう、いいでしょ?十分苦しみましたよ?」
「………………っ…………する…自由にする
そしたら、許してくれるかな?翔…」
「どうでしょう?
俺は嫌だけど、あの人は優しいからね
きっと許しちゃいますよ」
まるで幼稚園児をあやすみたいだった。
だからか、嫌いなのは……
俺こんな女やっぱり嫌い
でもさ、おもしろいけどね?