第19章 止まったままの心-翔side-
「あ、翔ちゃんこっちこっち!」
「はぁ、はぁ…もう、どこなの!!?」
テレビ局に着くと相葉くんが何かニヤニヤして
俺のことを迎えてくれた。
「相葉くん、もしかして……」
「ヒャハハ……そんなさぁ!
焦って走ってくるぐらいなら一緒にいな?
翔ちゃん!これは最後のチャンスだよ?!」
なんて言って俺の背中を押して、
楽屋らしきところに入れられた。
「え、おわっ……ちょっ……」ガチャン
『翔……くん……?』
「え?……、ちゃん」
そこには部屋の机に頬っぺたをくっつけて
寝ているちゃんがいた。
俺を見るとその顔は驚いた顔になって、
『ど、どうして……こ、こに?』
「いや、えっと……相葉くんが…」
『え、あ、そう……なんだ……』
久しぶりに見るちゃんは、
何か痩せたように見える。
「痩せた?」
『……え?そう?…そうかなぁ』
「うん、痩せてるよ……食べなよ?」
『……うん。ありがとう』
で、この沈黙
とうとう耐えれなかったのか、
ちゃんが部屋を出ようとした。
ギュッ
『え、翔…くん』
「ごめん…待って」
『え、でも…仕事』
「頼むから…話、聞いてくれないかな?
もう遅いって分かってるけど……」
ちゃんの腕を掴みながら、
真剣な眼差しで彼女の目を見た。
黙って頷いた彼女を見て、口を開けた。