第3章 荒野に芽吹いた花の名は【政宗・家康・光秀・三成】
【三成】
美蘭様。
なんと可愛らしいお方なのでしょう。
信長様がお連れして暫くは、秀吉様が何処ぞの間者ではなかろうかと、緊迫した面持ちで身辺調査をされていましたが…
結局、何事もなく、今では家族のように共に過ごせていることを、本当に嬉しく思っています。
ですが、今となっては…
美蘭様に薬で眠っていただいて行った、あの身体検査。…あれを手伝ったという事実が、わたしの中に罪悪感として残っています。
今更、到底申し上げることなど出来ませんが、
その分、
貴女様がお困りの際には、どんな些細なことであっても…お力になりたいと思っています。
わたしが書庫で書物に夢中になっていると
いつも食事を勧めに来て下さる美蘭様。
近頃は、そうして持って来ていただいた差し入れを、美蘭様の可愛らしいお顔を見ながら食す時間が気に入っています。
他の方々とお話する美蘭様を見ていると、息が苦しくなることがあります。
わたしは病気なのでしょうか?
近々、家康様に相談してみましょう。