第3章 荒野に芽吹いた花の名は【政宗・家康・光秀・三成】
【家康】
面倒くさいお荷物が増えた。
俺が大嫌いな、弱い、それも女。
500年後からやってきた?
馬鹿じゃないの?
そんなことあるわけないでしょ。
着飾って、勝手に楽しく過ごしてればいいのに
やたらと手伝いたがったり、
救護を学びたいとか
弓術を教えろとか
…ホント、面倒くさい。
でも思ったよりは根性あるみたいだね。
…この俺から逃げ出さないとか。
戦さ場に連れてくと信長様が言ったときは
そんな不吉なことをするなんて
ついにあの人も頭がおかしくなったのかと思ったけど。
向こう見ずな行動で信長様の命を救ったり、
怪我して泣いてるのかと思ったら
誰かを心配して泣いてたり…
意味わかんないの連続。
そのうち
どんな無茶をしそうなのか、わかってきた。
だからつい、世話を焼いてしまう。
だって怪我でもされたら、
手当したり経過診たり、俺が大変になるから面倒くさいでしょ。
だからついつい、口を出してしまう。
ずっと目が届く場所にいれば気が楽なのに。
皆があちこち連れ回すから気が気じゃない。