第167章 はじまりの物語
二年目は一体、どんな学園生活になるのかな??
「何、一人で笑ってんの?」
「ん?……内緒!」
幼馴染の私達。
それは、ずっと変わらない。
でも……
夕焼けの帰り道。
「ひまり今度の日曜、空いてる?」
「うん。空いてるよ??……あっ!……もしかしてお出掛けのお誘い??」
「…………違うし」
「えっ?違うの?」
何だ、残念……
そう小さく呟いて、俯けば……
「……俺は、お出掛けじゃなくて」
家康が急に立ち止まるのを見て、私もピタリとその場で足を止める。
お出掛けじゃなくて?
「………デートに誘ってんの」
その言葉を聞いて、顔を上げる。
私と目が合う前に視線を横に逸らした、家康。
ドキドキハラハラの高校生活。
そして「幼馴染」の関係が少し変わり始めた高校一年生。
「ひまり。顔赤い」
「ゆ、夕陽のせいだよ!家康だって、目元が赤いよ!」
「……夕焼けのせいだし」
「もう!あんまり捻くれ者だと、デートしてあげないから!」
「……ひまりが、行きたがってた映画なのに?」
「……………ぜっ〜たい、行く!」
意地悪なのは、
やっぱり変わらないけどね?
〜はじまりの物語〜(完)〜