第150章 あなたにもう一度後日談(5)一日目の朝
俺は大変なモノを作ってしまった。
「ふふっ。……どうして、そんな顔してるの?」
桃色の金平糖が入っていた箱。その中身だけ姿を消し……床の上に落ちている。
帯を解き、着物をだらし無く纏いながら、焦らす様に近づいてくる妖艶な姿。這う様にゆっくりと、俺に近づき……指先が顎を掠めた。
「ねぇ……私が欲しいんでしょ?」
熱で潤んだ瞳が、スッと細められ……赤い舌が艶かしく自身の唇をなぞる。
見えそうで見えない胸元。
それが俺の視線を奪う。
ゴクッ。
(こ、これは……)
「私が喰べたいの?……それとも」
喰べられたいの?
金平糖のように甘い吐息。
(や、やばい……)
「ふふっ。でも、家康に決める権利なんて少しも……」
な、い、け、ど……ね?
(この、ひまりはマズイ///)
俺はトンデモナイ「金平糖」を作り出してしまった。