第80章 〜甘い仕返し返し〜家康様視点※R15※
「……くっ!」
「やっぱり肩が一番凝ってるかな?…………どう?気持ち良い?」
(……間違いない。これは拷問だ)
こうなってくると日頃、自分がひまりにやっているお仕置きの仕返しとしか思えない。
「………ひまり、もういいから」
「えっ?あんまり気持ちよくなかった?……なら、もう少し力入れてみるね!」
「そうじゃな…っ……くっ!」
力加減が足りないと勘違いしたひまりは、更に腰の上で身体を動かしながら、指や手の平を使って全体をほぐす様に動かし始める。
「……んっ……どう?こ、れなら……気持ちい、い?」
力を入れながら話すひまりの声が耳を掠め、ついに頭まで血がのぼる。
(く、そっ……身体さえまともに動いたら)
今すぐ立場逆転するのに。
「……ここ、はどう?」
「……!!」
(耐えろ……)
「…ここ…すっ、ごい……硬くなってる、よ?」
「……っ」
(耐えろ、俺!!)
「……ねぇ…?…ちゃんと、きも……ち良い?」
「くっ、……」
(頼む、耐えてくれっ!!)
そして次の日___
「……針仕事してたからかな?肩がちょっと凝った気がする」
ひまりはそう言って、手で肩をもむように動かす。
「……なら、今度は俺が『まっさーじ』してあげる」
「えっ?でも、そこまで凝って……な、何か家康!か、顔が怖いよっ!」
「……ほら、早く寝転んで。動いたら出来ないから、大人しくしてよ」
顔を引攣らせながらずりずりと後ろに下がるひまりを引き寄せ、俺は満面の笑顔で褥の上に組み敷いた。
覚悟しなよ。
甘い仕返し返し〜(完)〜