第70章 約束の地へ 後日談(8)※R15
「……予想外です!」
何の前触れもなくそう言うひまりの腰元に腕を回し、引き寄せる。
「……何、意味の分からない事言ってんの?……言っとくけど、ちゃんと反省するまで、離す気ないから」
膝の上にひまりを向かい合わせに座らせてから、長い時間が過ぎた。
鼻先が触れそうなほど間近に、頬を膨らませるひまりの顔を見ながら……
夕餉を終えた後、俺は甘いお仕置きをしていた。
「もう、ちゃんと反省したよ?だから、許して下さい!」
「……それの、どこが反省してるのか教えて」
俺がそう言うとひまりは、拗ねた子供みたいにプイッと顔を横に向け、口を動かす。
「だから……次何かあった時は、走って逃げるか、無理なら大声で叫ぶから!それに、言い寄られたのは今回たまたまで……もうないから大丈夫だよっ!」
「……全然、反省してないし」
さっきから、何度もこんなやり取りを繰り返している。
流石にこれ以上はひまりの身体に負担になるといけない。
俺は諦め大きく息を吐いた後、顔を隠すように手を当てる。
「……ねぇ、どうしたら自覚してくれる?」
手の隙間からチラリと、ひまりの表情を盗み見る。