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イケメン戦国〜天邪鬼な君へ〜

第62章 約束の地へ(17)






《シャランッ…》




(しまった!……)

俺はしゃが込み、暗い芝生の上を手で探るように動かす。












(あっ………!)

私は座り込み、芝生の感触を感じながら手を必死に動かして、探す。












(く、そっ……どこにっ……)

止まった雲が、月明かりを消し手元がまったく見えない。










(どこっ!……どこにあるのっ)

光のない暗闇の中、手の感覚だけで探し続ける。






耳飾りだけが唯一……
俺とひまりを。



耳飾りが唯一……
私と家康を。





二人を……





二つの世界を……






『「繋ぐもの」』











(見つけた……)


暗闇にやっと目が慣れた俺は、芝生の上に転がった耳飾りに、そっと手を伸ばす。












(あった………!)


真っ暗な中、一瞬耳飾りが光ったように見えて、私はゆっくりと手を伸ばす。






そして……


私が耳飾りを掴んだ、瞬間。






そのまま、ピタリと止まる。








((え………))










手から自分とは違うぬくもりがあって……触れた所から温かさが伝わった……。








(まさか……!)







「ひまり!!!!!」






俺は感覚だけで、そのぬくもりを逃さないように掴む。









(もしかして……!)





「家康!!!!!」






柔らかい感触が、私の手首から伝わる。





そして、止まっていたものが




再び動き始めた。







《ドォォンッッッ!!!!!!!》





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