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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第12章 二人の宝物 三章


舞い踊る者に歌う者。
楽しい宴は大いに盛り上がる。


「徳、眠いの?部屋に戻る?」
お布団用意してもらおうか、と
女中を呼ぶ凛。

「‥んーん。まだここにいる。」

信長と凛の間にちょこんと
座る徳姫は眠そうに目を擦っている。

「徳、来い。」
信長はヒョイと徳姫を抱き上げ
自分の膝に座らせると、

「ここなら眠っても大事ない。」
ふふん、と満足気に笑う。

「徳は赤ちゃんじゃないよー。」

「俺から見れば赤子も同然だ。」

ぷくっと頬を膨らませているが
徳姫も何処か嬉しそうで凛も
自然と笑みが溢れた。


「‥ふん。」

その様子を見ていた謙信が、
面白くなさそうに酒を煽ると
隣に座る信玄がニヤニヤと肩を叩く。

「どうした謙信。羨ましいのか?」

「黙れ。」

おお、怖いなーと信玄が謙信と
同じ様に酒を煽ると信長の膝に座る
徳姫と目があった。

「どうしたんだい、姫。」
にっこりと笑顔で手招きすると、
信長の膝からピョンと降りて
そろそろと信玄に近づく。

目線だけで追いかける謙信の前を過ぎ
信玄と幸村の間に座ると、信玄の耳元に
顔を近づけ何やらコソコソと話し出す徳姫。

「‥ほう。‥そうか。」

照れる徳姫に頷き、大きな手の平で
ポンポンと頭を撫でてやる。

「きっと喜ぶよ。」
徳姫はいい子だな、と言うと
ぱあっと華が咲くように微笑んだ。

「信玄様、なんて言われたんだ?」

「幸、それを聞くのは野暮だな。」
信玄も徳姫と同じ様にニコニコと
微笑んで再び、酒を煽る。

「‥はあ?」

「信玄様、家康公の目が据わってます。」
佐助の言葉に正面を見やると、
一部始終を見ていた家康が
さも不機嫌に信玄を睨んでいる。

「いや、お前も変わらねーよ。」
もう酒やめとけ、と幸村が
佐助の杯を取り上げる。

「家康様、どうかされましたか?」

「五月蝿い、三成。」
急に視界に入るな、と
いつもの八つ当たりをすると
後ろから、一人素面な政宗の
楽しそうな声が飛んできた。

「おっ!なんだ喧嘩か?」


「おい、喧嘩はするなよ。」

「喧嘩にはなるまいよ。」
ピシャリと止めに入る秀吉の後ろで
光秀がクククッと喉を鳴らした。


「徳、寝所の用意出来たって。」
先にお暇しよう、と凛が声を掛ける。

「‥はーい。」


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