第18章 同じこと。
テツ…顔怖いですよ?
その顔にさせたのは私のせいですかね?
身に覚えがない…
私は震える声で、
テツの目を見ないようにしながら声を出す。
「テツ…あのさ、
怒ってたり…する?」
するとテツは低い声で言う。
「あ゛ぁ?
怒ってねーよ。」
え?
絶対起こってるよね!?
するとテツは私の方に近寄ると、
私のアゴを右手でクイっと持ち上げる。
これが顎クイと言うやつですね。
分かります。
でもこんな怖い顎クイ初めて体験しましたよ。
でもこんな状況なのに
顔が熱いのはなんでだろう…
テツと近いから?
…興奮…とか?してるの…かな…?
すると、テツが声を出す。
「お前さー、先行くなら俺のこと起こせばいいだろ?
なんで先にひとりで行くんだよ。」
その声は調子を乗っている時の声で少し安心した。
でも別にテツは調子乗っている訳では無いけど
「ごめんね…迷惑かな…って思ったから…」
すると私のアゴをまた片手でクイッとすると、
テツの顔と私の顔の距離はどんどん無くなっていく。
私とテツの間が0になった時、
私たちは唇が塞がった。
私たちは長くキスを深く深く交わす。
何分か交わしているとテツの顔が離れていった。
私たちの唇と唇に繋がっている、
細い糸がてらてらと光っているのを眺めて6秒。
その線は切れた。
離れた時に、
テツに何かを言われた気がする…
なんだったのかは分からないけど
この行動を誰かに見られてたなんて、
この時の私達はまだ知らない。