第13章 アリスを救う正義のマッドハッター
京治はそこまで言うと、
「やっぱなんでもない。」
と、話を切った。
すると、京治は
「木兎さん探してくる。」
と、いい、階段を登って行った。
にしても京治…どうしたのかな?
この上は屋上…
確か今日は入れないはず。
私は無我夢中で階段を上る。
上ると、京治が窓の外を眺めていた。
なんだかそれが切なくて、
私は京治のお腹に手を回し、抱きついた。
「ねぇどうしたの?京治?」
「別に…」
「いいたいことあるなら、ハッキリ言ってよ」
京治は姿勢を変えないまま、
口を開いた。
「じゃあ…
佳奈は、黒尾さんと付き合ってるんでしょ?」
「うん。」
「それを知った上で、
俺、好きなんだよ。」