第10章 ピースのカケラ
授業終了の鐘が鳴る。
…って
どんだけトイレにいたんだ…
すると、テツが来る。
「佳奈!
更衣室行くぞ、早く来い」
「…じゃ、また後でね、 響」
****
更衣室に着くと、
テツは入れないため廊下で待機して貰った。
私はテツに借りているジャージを着る。
…やっぱテツのデカイ…
これ絶対胸元ギリギリまで見えてるし…
ズボン緩い…
てか丈長い…
テツの匂いする。
…テツに抱きしめられてるみたい
…嬉しいなぁ
は?
嬉しい?
やっぱりテツのこと好きなのかな?
そんなことばかりを気にしてしまい、
テツと、まともに話せそうにないな…
うん。
私は1歩1歩を踏みしめてテツの方へ行く。
「お前嬉しそうな顔してんな
…俺の服着れて、そんな嬉しいか?」
胸がドキッとする。
図星をつかれた。
「うるさい。」
そんな可愛げのない言葉を返す。
今、ピースが埋まった。
私はテツの事が好き。
私はテツに抱きついた。
「どうした?そんなことすると俺佳奈ちゃんのこともっと好きになっちゃいますよ〜?」
テツはいつも通り、ヘラヘラしたように言う。
でも私はそれでもいい。
「テツ…好き。
私のこと好きになっちゃうんでしょ?
だから…好きになってよ?」
「は?…え?」
いつもの余裕がある顔とは違い、
顔を真っ赤にさせたテツ。
すると、テツは息を大きく吸ってから言う。
「…俺、お前のこと好き。
ずっと…1年の頃から。
だからさ、俺と付き合ってクダサイ。」
堂々と前から言われと恥ずかしい。
でもちゃんと伝えないといけない気持ちだから。
テツの目を見てちゃんと伝える。
「テツ…大好き。
こんな私で良ければ…どうぞ?」
こうして私たちは、付き合うことになった。