第6章 吹っ切れてしまえ
「ひゃっほう!!美味しそうな甘味屋だらけネ!」
この繁華街は江戸では有名な甘味屋通り
目移りするくらい美味しそうなお店ばかりが
軒を連ねる
「うわぁ。ほんとどれも美味しそう~」
「あ!あそこのお店ケーキ食べ放題って書いてアルネ!ナルミ!急ぐネ!」
「ちょ!神楽ちゃん!!はやっ!」
電光石火の如く走っていってしまった神楽を
慌てて追いかける
「待ってよー」
はぁはぁ…だめだ
完全に見失った
「も~神楽ちゃん食べ物には目がないんだから
どうしよう」
困って佇んでいると一人の男が声をかけてきた
「お姉さん、俺江戸の街始めてて迷ってるんだけど道教えてくれない?」
「ごめんなさい。私も上京したばかりで右も左もまだわからなくて。友達ともはぐれちゃって…」
「へぇ、それは好都合だ」
「え?
!!!!!」
物陰から仲間と思われる男達が数人現れて
一瞬にして、ナルミは担がれ車に乱暴に乗せられた
「離して!」
「おい!その女の口ふさいでおけ!」
「あれ、ナルミどこ行ったアルか?」