第6章 吹っ切れてしまえ
「お帰りなさい。局長。
今日も痛そうですね……」
近藤はいつものように
お妙のものであろう手形を右頬にくっきり
着けてすまいるから帰宅した
「あはははは!なぁにこれも一つの愛の形!」
「はぁ…そうですか。とりあえず冷やしてください」
「おう!ありがとう」
冷えピタを近藤の右頬にペタリと貼る
すまいるから帰宅した近藤の手当ては
もはや日常茶飯事になっていた
「それだけ心に決めた人がいるっていいですね」
「ナルミちゃんはそんな存在はいるのかい?」
「私は……」
そんな人いない
そう返そうとした瞬間
なぜか土方さんの顔が浮かんだ
だけど
「そんな人いないです。局長がうらやましいです」
「そうなのか!まぁナルミちゃんならすぐにでも男は寄ってくるだろうけどな!」
「そんなことないですよ。それより早く寝てください。明日は定例会議ですよ」
「おう!そうだな!」
「おやすみなさいませ。局長」
「ああ!おやすみ!」