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真選組女中物語

第5章 ヒロインの心は



早朝5時

ピピピピピ…

パチッ!

女中の朝は早い

「朝か…」
むくっと起きて目覚まし時計を止める


「よっし!今日も頑張るぞっと!」

身支度を整え朝ごはんを作るため食堂へ向かう
大人数の料理を作るのにもだいぶ慣れてきたので
手際よくいつもより早く終わった

食事の時間まで少し時間がある

「縁側に座って少し休憩をしようかなー」
そう思い外廊下に出ると

道場へ入っていく胴着姿の土方を見つける

「副長、こんな朝早くから訓練してるんだ…
そうだ!麦茶持っていこう!」









「副長、失礼します、よかったらこれ…」


ナルミに気づかず一心不乱に剣を振る土方にナルミは見とれてしまう





きっと、お強いのに誰よりも早く起きて
訓練されてるなんて





素敵だな





素直にそう思った


それは土方の向上心に対してなのか





真剣な横顔になのか



わからないけど
心を奪われているのは確かだった







「ふぅ。そろそろ飯の時間か…ってナルミ!!!」

「おはようございます。副長。道場へ入っていかれるのを見たので、これ良かったらどうぞ」


そう言って冷えた麦茶を差し出す。



「気が利くじゃねぇか。ありがとうな」
運動の後の冷えた麦茶はうまい
ごくごくと喉を鳴らす




「副長、…素敵です」


「ブーーーーーーー!!」


「あっ大丈夫ですか!」

「ゲホゲホ、だっ大丈夫だ。それよりお前
何言ってんだ?まだ頭寝ぼけてるんじゃねーか」



ナルミの予想外の言葉に顔を真っ赤にして
動揺する


「すいません変なこと言っちゃって

でも本当にそう思ったんです!


副長はとっても素敵です!!」


「なっなに言って…」

「あ!もう隊士の皆さんが起きてくる時間だ!
先に食堂に行ってますね!副長も朝食食べて下さいね!」







朝食は大事ですよーと言って出ていくナルミの
背中を見送りながら



「どういう意味なんだよ……」





うるさい心臓の音にまたしても
調子が狂う土方だった
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