第14章 風邪っぴき
「ポカリは持ってきたが、他に何かいるもんあるか?」
「いえ、充分ですよ」
「こんな時くらいわがまま言えよ」
「んー、わがままですか」
ナルミはどうしようかなーと考えると
名案が浮かんだらしくニコッと笑い
「じゃあ
あーんして食べさせてくださいっ」
と無邪気な笑顔で言った。
「ばっ!んなもん、こっぱずかしくてできるか!」
「えぇー。だめですか?お願いします!」
そうやって
見つめられると土方は弱い
「~~ったくしよーがねーな、今日だけだぞ」
「やったぁ」
土方は顔を赤くして恥ずかしそうにナルミのわがままに応える
「ほら食え。あーん」
「あーん」
それを数回繰り返し
最後の一口となった。土方もだいぶ馴れてきた。
「これで最後だ。あーん」
「あのぉ~…お取り込み中すみません。
ナルミちゃんに薬を持ってきました………」
ピシッ
突然の山崎の乱入に土方はピシッと固まった。
「いやぁ、副長もナルミちゃんの前だと
ただの男ですね、副長があーんだなんて」
微笑ましそうに笑う山崎に
「うっうるせぇ!黙れ!!殺すぞてめー!!!」
顔を真っ赤にして食って掛かる土方だった。