• テキストサイズ

真選組女中物語

第13章 同郷





お父さん、お母さんお元気ですか?
私は元気です。

今度お休みを頂いたら帰りますね。










短い手紙を添えて今月の仕送りを送るため
郵便局へやってきたナルミ




なかなか長い休みは取れないので
久しく田舎に帰っていない。

ホームシックとまでは行かないが
田舎の両親や友の顔を思い出すと少しだけ寂しくなる。




「用事済んだか?」

郵便局を出るとタバコをふかしながら土方が立っていた。

「土方さん、どうしてここに?」

「お前の姿が見えたから待っていた。屯所に帰るなら俺も見回りが終わったから一緒に帰るぞ。」



そう。いつだって寂しさなんてこの人が
ふっ飛ばしてくれる。







「何かあったか?」
「え?なんでですか?」

通りを二人で歩きながら土方は唐突に質問を投げ掛けてきた。


「いや、郵便局から出てくる時悲しそうな顔してたからよ」

「土方さんすごいですね。今田舎の両親や友達のこと思い出していて少しだけセンチメンタルな気分になっちゃってました。」


へへって笑うナルミ

そうだよな。コイツは両親の為に右も左もわからねぇ江戸に一人で来たんだ。友達にも会いたいだろう。





ナルミに長期休暇を


そんなことを考えながら土方はナルミと肩を並べ屯所への道のりを歩いていった
/ 160ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp