第9章 初めての嫉妬【緑間】
俺には彼女がいる。
真面目で仕事熱心、そのうえとても明るい。
その明るい性格のおかげもあって、彼女は男女問わず人気者である。
俺はそのことが最近気がかりでしょうがない。
今も…。
宮地「おーいー!俺のタオル知らないかー?」
『知ってますよー。今持っていきまーす。』
木村「悪いが、テーピング手伝ってくれないか?」
『はい、いいですよ。』
大坪「ちょっと頼みたいことがあるから、後で来てくれ。」
『分かりました。』
緑間「はぁ……。」
高尾「真ちゃんがため息なんて珍しいね。どしたの?」
緑間「た、ため息などついていないのだよ。」
高尾「いや絶対ちゃんが他の人と喋ってるの見てため息ついてたっしよ。」
緑間「…!!」
高尾「真ちゃん、それ嫉妬だよ。」
緑間「バ、バカめ。俺が、し、嫉妬などするはずないのだよ。それより早く練習するのだよ。」
高尾「あ~あ行っちゃった。素直じゃないねぇ、真ちゃんは。」
『ねぇ高尾くん、真太郎知らない?』
高尾「ん?真ちゃんならあそこでシュート練やってるよ。」
『そっか…。じゃあしょうがないね。』
高尾「何か用事?」
『ううん、ちょっと話したいなって思っただけ。練習してるなら邪魔するわけにはいかないね。ありがと、高尾くん。じゃあ、ちょっと大坪先輩のところ行ってくるね。』
高尾「おう、じゃあな。………。」
緑間「高尾、何やってる!早く練習を始めるのだよ。」
高尾「ヘイヘイ、今行くよ。」