第1章 シェアハウス 「color's house」
自宅から数キロ離れた駅の送迎口。私は迎えの車を一人待っていた。
「うぅ……風が冷たいなぁ……早く来ないかなぁ……」
そんなことを呟いていると、一台のシルバーの車が私の目の前に止まった。私はすぐにその車の扉を開け、助手席に座った。
「ごめん瑠璃。道が混んでて遅れた」
「いいのいいの。いつもありがと、星鎖たん」
私は三上瑠璃、高校三年生。毎日離れたところにある学校までバスと家族の車で通っている。家族といえば家族なんだけど……。
「どうした瑠璃、具合でもわるいのか?」
「ううん、大丈夫。私のことより、運転に集中しよ?星鎖たん」
車を運転しているのは星野步結夢。あだ名は星鎖たん。星野の「星」、「結」って漢字をかっこよくして鎖。車の運転が好きな走り屋?なのかな……。さっき家族っていったけど、名字が違うことに気づいたとおもうんだけど……。実は私が住んでる家って言うのは……。
「着いたぞ。早く家に入りな」
「うん!」
私は車から降りてすぐに玄関に向かって走っていった。私が住んでるのは……シェアハウスだ。
「ただいまぁ!」
私が大声で言うと、すぐに返事が返ってきた。
「おかえり、るる。相変わらず元気あるなぁおい」
八神春樹。あだ名はやっちゃん。なにかとナルシスト……。だけど、やっちゃんの話はとっても面白いから好きだ。るるはやっちゃんが私につけたあだ名だ。
「やっちゃん、またずっと寝てた?寝癖酷いよ?」
私はやっちゃんの髪の寝癖を見て呆れた。やっちゃんは暇があればすぐに寝てしまう人で、私が学校から帰る度に寝癖を付けている……やることないのかなこの人……。
「仕方ねぇだろ……暇なんだしさ……」
「なら家のこと手伝って欲しいんだけど?」
やっちゃんの後ろから現れた人物を見て、やっちゃんは嫌そうな顔をした。
「げぇっ、秀馬。俺に家事を任せようってか?」
永井秀馬。あだ名をしゅーまん。私の一つ上で、このシェアハウスの家事全般を一人でこなしている人だ。
「しゅーまん、ただいまぁ」
「おかえり、瑠璃ちゃん。ご飯出来てるから、着替えておいで」
「うん!」
私は階段を上がって自室に入った。