第10章 合宿まであと1週間
「確かに、姉弟なら似る事もあるのかも...ご察しの通り私は、前まで選手としてバレーをしていました」
そこまで言うと、滝ノ上さんが「怪我か?」と聞いてきた
「いえ、故障はしたんですが、すぐ直りました。でも、なんか、怖くなっちゃって...でも、バレーをするのが怖いと言う訳じゃなくて!!えっと....」
言葉が見つからなくて、一人でアワアワしていると体育館入口がある後ろから声がした
烏養「女子のチームが怖い...だから、今回の試合は大丈夫だった...って訳だろ」
烏養コーチだった。
私の思っていること、そのまんまを言われてバッと後ろをみる
「...ハイ.....」
烏養「ま、女子の中では結構あることらしい。理由は色々だが、"ハブられる"ってのは精神に結構くるらしいな」
「.....」
何も返せなかった
「それで、推薦やら何やら全部蹴ったんだろ?"空中の支配者"は....」
そこまで言うと、ふう...と息を付く烏養コーチ
私の異名を聞いて"えっ"っと言う嶋田さんと滝ノ上さん
烏養コーチ...気付いてたんだ...
「全部...お見通しなんですね... よくある話、中学3年の最終試合で私は、完全にチームからハブられて...その試合は負け...それで、推薦を全部蹴ったんです。その時は本当にバレーがしたくなかったから..」
そういって"ハハッ"と笑った
そして話を続ける
「私が烏野に来た理由は弟と同様、烏養監督に会ってみたかったからです。でも、烏野のみんなと居るとバレーがしたくなっちゃうんです....勝手ですよね...でも、私もアイツと同じで単細胞バレーバカだから.....」
そこまで言うと、私は力なく笑った
すると、嶋田さんがこう言ってくれた
嶋田「....そうだったんだ...ごめんね。辛い過去を思い出させちゃって...」
滝ノ上「ま、バレーしたい時にすれば良いべ!楽しんでる奴を誰も止めたりしねーよ」
「はい!!」
そして嶋田さんたちは帰って行った