第6章 in THE LIBRARY
「ま、だからと言ってどうにかしようとは思ってないんだけど、なんか、誰かに分かって欲しくて。ごめんね、こんな話しちゃって」
「謝らないで下さい」
彼の諦めを帯びた笑みに思わずそう言ってしまいました。
「へ?」
「あ、の……嬉しかった、です。私と似たような、悩みを持ってる人がいるって思えて、嬉しかった、です。」
悩みを共有できる人がいるというのももちろん嬉しかったけれど、実を言えば、誰かの役に立てるというのがただただ嬉しかったのです。“私になら”話せるだなんて、今まで言われたことがなかったから。
「そっか。……なんか、情けないところ見せちゃって、ごめん」
「いえいえ、お気になさらずにしてください!」
「……ありがと。仕事そろそろ終わるから、俺、行くね」
「はい、部活、頑張ってきてください」