第2章 両方ちょーだい。
「…芹奈のはさ。恋じゃなくて、ただの憧れなんじゃないの?」
「…」
「…」
「…そうかもしれないね」
「…」
ゴメン。俺、そんな顔させたかったわけじゃないんだよ。そうじゃないってこと、顔見たらわかるのに。ウソついてないことも、ちゃんと本気でその人のこと好きだってことも。なのになんで芹奈の想い、否定するようなこと言っちゃったんだろ…。
悔しいから?名前も顔も知らないその人に、嫉妬してるからか?
…ちっちぇえな、俺…。
「憧れ、かぁ…」
「…」
芹奈のこんな切ない表情、初めて見た。きっと今、その人のこと思い浮かべてる。そして、好きで好きでどうしようもないくらい、苦しいくらいに、その人のことを想ってる。そういう目、してる…。
ねえ
俺、わかるよ?
俺も同じだから。
俺も芹奈のこと、好きで好きで、どうしようもなくて。気持ちが膨らんで、これはもうダメだなって。1回どうにかしねーとヤバイだろって。だから、俺はもう結果とか考えないで、当たって砕けろ!って勢いでぶつかった。とにかく想いを伝えようって。
だけど
「相葉くん、私…」
「…うん。ううん、いいよ。あの。気にしないで?俺のことは。ね?」
「……ごめんなさい…」