第4章 理想はKO
「…仕事、何してる人なの?」
「えええっ!?」
…そんな驚かなくてもよくない?せっかく話題変えたのに。俺、別に変なこと聞いてないと思うんだけど。
「えっと。職業、だよ?あ、実はフリーター…?あ、まだ学生?」
「…そうじゃ、ないけど」
「じゃあ。どんなジャンル?」
「…ジャンル…」
「わかった!オッケーオッケー。じゃ、ヒントちょーだい?俺、当てるから。謎解き得意だしっ♪」
「…」
「力仕事系?」
「…そういうわけじゃ、ないと思うけど…」
「じゃ~…デスクワーク系?事務とかさ」
「ううん」
「じゃ~あ~…営業っぽいカンジ?会社訪問とかさ、するような」
「ん~…近い、のかなぁ…?」
「スーツとか制服とかある系?」
「着てることも、あるけど…。私服ってわけじゃない…のかな。わかんない」
「ふ~ん…?」
なかなか手ごわいな。サッパリですよ。今んとこ。
「じゃ、時間は?定時に帰ったりできる系?」
「…全然」
「そーなの?不規則ってこと?…えっ。あ~…。俺、わかっちゃったかも…」
「!」
「ね、当たるかもコレ。言っていい?当てちゃっていい?」
「――っ」
「ズバリ!会社の上司!!」
「…」
「あ、違う…」
「違う!」
そ、そんな怒んなくたって…。だって芹奈、雑誌関係の会社にいるからさ。条件的に合ってるかなって…。
「え~?違うの?でも結構いいセンいってない?かなり当てはまってるじゃん…」
「でも違うもん!」
「意外と難しいな~…。スーツとかも着るような仕事でしょ?でも時間不規則みたいなカンジで―…って。業界人かよって(笑)」
「!!」
「…え?え、そうなの?マジでギョーカイ人?」
「…」
あ、そうなんだ…。