第1章 マジカルハンド
二「…世の中、そううまくはいかねえんだな」
相「…うん」
二「俺さぁ。俺はさ?相葉さんには『ウゼえよ!』ってくらい、幸せな恋愛しててほしいのよ」
相「……ん…」
ありがと、ニノ。いっつもひねくれたことばっかだけど、ニノがまっすぐなこと言う時ってさ
「…ぅっ…」
俺、いっつも泣いてるね。
情けないって自分でも思うんだけど、俺、泣き虫だからさ。こればっかりはどうしようもない。だって勝手に涙が出てくるんだもん…。
ドラマの撮影が予定より早く終わって、VSの楽屋一番乗りだった。特にすることもなくて、でも眠くもなくて。眠いんだけど、なんか寝れなくて。台本パラパラめくりながら、俺、空っぽなカンジだった。
そしたら、すぐニノが来て。『あら。ドラマ班のくせに早いね?』なんて。俺も『そっちも映画の割に早いね?』なんっつって。フツーにちょこちょこ話してたんだけど。
うん。なんか、ニノの顔見たら、一気に何かが緩んだみたい。話出したら止まんなくなって、ついでにカラダからいろんな液体が出て、それも止まんなくなって…。
「ほら。これ、飲んでいいから」
「…ニノ…」
「人間、七割だかは水分だって言うし。水分補給は大事だからね?つか、あーたイロイロと出しすぎだから」
「…あり…ぁと…っ」
せっかくニノが(珍しく)奢ってくれたポカリ、いつもよりちょっとしょっぱかったよ…。
どうして
どうしてこうなっちゃったのかな
考えて考えて、ものすごい悩んで
俺は昨日、好きな子に告白した。
でも
結果はこの通り。
「うっ…くっ…っ」
「…ヨシわかった!もういい。許す。泣いてしまえ!!なっ?思い切って泣き倒そう!!」
「ううう~っ…ニノォ~~…っ!」
「っ!ちょっ…おまっ、抱きつくのはナシッ!離れろや!イロイロくっつくから!!」
…ゴメン。ニノ、ゴメン。甘えさせて。あとでイロイロ謝るから。だから。今だけでいいから
俺を受け止めて
お願い、ニノ
おまえの胸で泣かせて…っ!(実際は肩だけど)