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家事のお姉さんと歌のお兄さんと

第8章 Side ~二階堂 大和~




なんか今日から新しいお手伝いさんとやらが来るらしい。
朝早くにグループに来ていたラビチャを無視していたが、ナギに叩き起され渋々起きる。


「今度のプリンセスは本当にワタシ達のことほとんど知らないみたいデス!ヤマトは気楽でいられると思いますが、ワタシちょっと悲しかった……」

「へーへー」

「でも素朴な可憐さで素敵デシタ!とてもキュートなプリンセスデス!ヤマトも早く会いに行ってクダサイ!」

「朝っぱらから耳元でうるせーよナギ!わかった、行くよ、行くから頼むからまず出てってくれ」


軽く着替えを済ませてナギを宥めた後、隣の建物に足を運び、事務所に向かう。

途中イチとミツのコンビとすれ違ったが、軽く挨拶をかわすと俺の早起きに驚きながらも、楽しみにしてろよ多分今回の子は割と可愛いぜ、なんて言ってる。隣でイチは普通じゃないですか、とボヤいていたが、まぁミツはともかくイチの普通はマシって事だろうし、とりあえず会ってみない事には分からないからハイハイと適当にスルーしておいた。


そっと扉を開けてみるが、そこにいたのはニコニコと愛想良さそうに笑いながら万理さんと話す女の子。ルックスでいえば割と普通……いや、どちらかと言えば結構綺麗な方?忌々しい事に芸能界で目は肥えてしまってるし、うちのマネージャーも割と可愛いタイプだから比較対象が多すぎてあんまし上手くは言えない。まぁマネージャー位のレベルで方向性が可愛いじゃなくて美人系、と言うのが一番近い説明だろうか。口調はハキハキとしていて、気遣いも上手そうなタイプだろうな。歳は……わかんないな、マネージャー位か?

俺が背後に立っても気付かない様で、好奇心から声をかける。


「あら、じゃーその可愛い皆さんにお兄さんもこれから含まれるって事かなー?」


俺の突然の一声に、さっきまでニコニコを崩していなかった女の子は目を真ん丸に見開くと全力で振り返りながら後ずさる。
でも足を引っ掛けたのかバランスを崩してしまった。これで怪我されちゃたまったもんじゃない。と思ったのは正直後付けなんだが、とりあえずその場は咄嗟に体が支えに走っていた。

バタバタとペンギンの様にバタつかせながらバランスをとっていた片手を掴み、もう片方で腰を支える。
触れてみると見た目よりも細い腰に軽い体。胸は……いや、そこまで見たら流石にな、と思ってやめる。

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