第6章 晩御飯と王様プリン
17時30分。オムライスは出来たてを食べて欲しいので、ギリギリまで焼かない事にし、それ以外の準備は粗方終わった。
ジャガイモとコーンをすり潰して作ったポタージュ、彩り野菜とツナのサラダ、細かく切った鶏もも肉とケチャップで仕上げたチキンライス。
チキンライスは保温しておき、サラダもラップをしておく。
よし、今日は全員18時には家にいるはずだし、あとはみんなが揃うのを待てばOK!
掃除した時にお風呂場も洗っておいたから、お湯入れてこよう。
お風呂のセットも万端にしてエプロンをはためかせながら食堂に戻ると、大和さんは3本目をちびちびやっていた。
「ちょっと、大和さん!それ以上飲んだら晩御飯入らないでしょう」
「んー?だーいじょうぶだって、お兄さん結構胃袋大きいんだぞー、なんならお前さんを食べちゃうぞー」
ガオー、と口で言いつつポーズを作ってから「なんてなー」と1人でケラケラと楽しそうに笑う酔っ払い。あぁ、この人絡み酒か……酔っ払うと面倒なタイプだ。
と言うかほんとにちゃんと全部お腹に入るんだろうか。まぁ残したら明日の朝ごはんにしてもらえばいいか。
そんな事考えながら大和さんの斜め向かいのソファに座る。お昼も30分しか休んでないし、今日はたくさん動いたからちょっと休憩。
そんな時、着替え終わった三月くんが食堂に降りてきた。
「たっだいまー!おー!美味そうな匂い!!……って酒くさ!!」
「あっ、三月くんおかえりなさい」
お務めお疲れ様です、とにっこり笑顔で出迎えると、ちょっとびっくりしてから三月くんはありがとうと笑顔を返してくれた。
「大和さん、さっきからずっとこの調子で……」
ベロンベロンとまではいかないものの、朝の低血圧そうな見た目はどこへやら、ハイテンションな大和さん。
三月くんは見慣れてるのか、こうなるとしばらくこんなんだよ、と苦笑いしながら私の横へ座る。
「おいミツー、女性の横に座る時はちょっといいですか位言えよー」
「なんでおっさんがナギみたいなこと言ってるんだよ!まぁでも確かにそうだよな……」
「え、いやいいよ別に気にしなくて」
お母さんみたいなもんだと思ってよ、と笑うと、何故か三月くんは目を逸らしながら「いや、ちょっと……違うだろ」なんていいながら鼻をこすっている。お母さんに甘えるのが照れくさいようだ。