第10章 歓迎パーティの波乱
「そーごくん飲まないのー?ほんとにー?」
「はい……本当にやめておきます……」
「そっかぁ、ざんねーん……なぎくんはー?」
「oh……こんなに素敵なレディに誘われて断る?ノンノン、ワタシ、レディからのお酌を断るのは美学に反しマス」
「ナギ、お前やっぱりちょっと俺のマネージャー口説きすぎなんじゃないのー?」
「大和さんそれ言いたいだけだろ!くっそー!!羨ましい!!」
あんまり回っていない頭で(おそらく他の飲んでる人もそうなんだろう)話しては笑う。
こんなに笑うことはあっただろうか……いや、ない。
今までが今までだったからな……。
「さー俺のマネージャー?酔っ払いの俺に膝枕してくれてもいいんだぜー?」
「や、大和さんそれは女性に対してセクハラでは……」
「なんだ、ソウ羨ましいのか?でもさっきお前さん……御崎の……」
「わー!わー!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!!でもあれは不可抗力でっ……!!」
「ずるいよなー!なー、むしろ俺に!膝枕を!」
膝枕膝枕ってなんか盛り上がってる。ってくらいにしか頭に内容が入ってこないよう。……なんて、いや、深く考えるのはやめよう。
とりあえず膝枕でいいんだっけ?
私は三月くんの所へ行くと、スッと腰を下ろし膝枕をする。
「どう?」
「いや、どうって、あの、俺、予想のナナメ上で……まさかあの……」
「みつきくん意外ときんにくしつだねぇ、太もも固い」
「御崎がされる方かよ!!!」
「でもそれはそれでお兄さん的には羨ましい感じもあるぞ、いいなーミツー」
「確かに……何故皆さんは役得なイベント起きるのに、ワタシには無いのデスカ……!?これはもしや好感度ポイントが規定値まで達していないからフラグ立てれていないと言う……!?」
「な、ナギくん現実戻ってきて……」
「おい御崎、いつまでミツの膝枕されてるんだ?俺のマネージャーだぞ俺の」
話半分、アルコールによる心地よい眠気半分、呼ばれた気がしたのは気のせいではないらしい、フワッと身体が浮いた感じがする。
酔ってる時特有の心地よい浮遊感だ。地に足がつかない様な浮ついたあの感じ。重量は下に下にと訴えかけるも、私の体はフワリと暖かく宙に浮く。
心地いい。