第10章 歓迎パーティの波乱
あれから1時間が経ち、未成年組はもうお腹いっぱいだ、と食べたりはしてないものののんびりお話している。それを知り目に大人組は飲み続けている……が、そう言えば壮五くんは飲んでいない。
「ねー、壮五くんは飲まないの?」
「僕は……遠慮しておきます、ちょっと苦手なので……」
「そっかぁ」
「後が怖いからな!絶対に飲ませるなよー!いいな、絶対だぞ!」
「あはは、三月くん、それはフリかな?」
「あはは、なんてなー!!実際飲ませたらやべーから、まじやめといた方いいっ!」
お酒が入ってることもあり、上機嫌でケラケラと笑った後、真顔を作るの三月くん。あー、なるほど余程弱いんだろうな……。
「なーなーところでさー!」
「ん?」
「御崎って、彼氏いんの?」
「へ?!」
つい、驚きのあまり口に運びかけていた日本酒を止めてしまう。
それまでガヤガヤしていたけど、三月くんの一言で当たりはシーンとなり、自然と視線がこっちを向く。
「う……い、いませんよ!面白くなくてすみませんね!!無愛想で可愛げがない仕事人間だったから!!以上!!」
そんなモテないことを自覚させるようなこと言わなくてもいいじゃないか!!と、内心八つ当たりじみたことを言いながら酒を一気にあおる。
さらに、別のグラスにワインもついで一気飲み。
周りにバカにされるのも恥ずかしいから、見ないふりしてグイグイ飲む。強くてよかった。まぁ八つ当たりみたいな感じで言っちゃったのは、流石に多少回っているお酒の勢いもあったけど。
あー、でも、やらかしたかな、ワインの一気は良くなかったかも、結構きてるや。
「へー、意外、お前さんモテそーなのになー」
「大和くんバカにしてるでしょ!で、でも、彼氏いなかった訳じゃないし」
「……ふーん」
でたその「ふーん」!興味ないなら聞くなよ!ばか!
「あーもー!そんなにバカにしないでよー!!私だって!!夢がないわけじゃなーい!」
「御崎……?」
「ドキドキだってそりゃしたいし!!恋だってしたいし!!まともな愛情だって受け止めてみたいし!!!ドキドキさせてみたいし!!魅力あるねって思われたいし!!」
ワインをさらに飲み干してグラスをどんとテーブルにおいた。
その瞬間どこかで理性が切れた音がした気がする。