第10章 歓迎パーティの波乱
「んじゃ、改めて家事手伝い及びマネージャー手伝い、瑠璃華御崎の歓迎会はじめますか!みんな席につけー!」
「俺、ルリちゃんの隣がいい」
「じゃあ反対側は専属の俺な」
「ずりーぞ2人とも!!」
「兄さん、こんな事で声荒げないでくださいよ……」
「御崎さん、何飲みますか?」
「あ、ありがとう壮五くん……ええとウーロン茶……」
「御崎ちゃん、飲めないの?」
「百さん……いえ、お酒は好きですが、仕事の一貫なので……」
「今日は許可も取ってあるから大丈夫だよ、楽しんでいこう」
「千さん、ありがとうございます……じゃあえっと、壮五くん、ビールお願いするね」
「はい!」
私の席はどうも即決したらしく、周りを取り囲むようにどんどんと席が埋まっていく。
環くんは純粋に懐いてくれているようで可愛いけど、大和くんはもう完全に私をおもちゃとして置いておく気だ。
「じゃあここは専属としてついてもらうことになった大和さん、乾杯の音頭をおねがいします!」
「リク、面倒な役を回してきたな……それじゃ、えーと……御崎、俺らの事、これからもよろしく!今日はじゃんじゃん飲めよー!カンパーイ!!」
「カンパーイ!!」
こんなふうに取り上げられて恥ずかしい気持ちもあるけど、みんなで丸い大きなテーブルを囲んで乾杯をする。
楽しさもあってか、こんなに美味しいビールは初めてかもしれない。
美味しさのあまりついついグラスの半分位まで飲んでしまって、ハッとする。ドン引きされるか……と周りを見ると、ちょっときょとんとしてから「いい飲みっぷり!」と皆が明るく笑ってくれたから安心した。
「御崎!これ、冷蔵庫に入ってたハーブチキンをワタシが焼きました!ミツキに監修してもらったのですがどうデスカ?」
「……わ、美味しい!きちんと中まで火が通っているのにジューシーだし、鶏の旨みも引き出されてて凄いよ2人とも!」
「へへ、ナギって意外と教えたらやってくれてさ、楽しかったぜ!」
2人が作ってくれたチキンソテーが美味しくてまたまたビールが進み、グラスは一気にカラになった。
「おーいいねいいねどんどん行こう。んじゃ、次は何にする?お兄さんがお酌してあげるぞ」
楽しそうな大和くんが酒の山を指す。すごい量だ。