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刀剣男士で百物語

第2章  燭台切光忠の話 【二振り目】


怖い話を聞かせてほしい?
それは僕よりも、青江くんに聞いたほうが良いんじゃないかな?
…君も頑固だね。
分かった降参だよ。
言っておくけど僕の話はあまり怖くないからね?





夢を見るようになったんだ。
今までこれといって、起きてからも記憶に残っている夢なんて見た事ないからね。
不思議な感覚だったよ。
夢の中でも現実と同じ感覚がそのまましたんだ。

物に触った感覚や、匂い、空気の流れ。
それら全てが本当に夢なのか、僕もたまに不安になる。

…夢の内容?
それは…うーん。
あまりいい気分ではないよ?

燃えているんだ。
轟々と燃えている炎の中に、僕が居るんだ。
逃げる場所はなくてね。
自分が燃え尽きるまで、意識があるんだ。

おかしいよね。
僕らは付喪神だから、本体が折れたらそこで僕たちも終わる。
でもその夢で僕の本体は既に消し炭になっているのに、僕はずっと燃えているんだ。
逃げたくても逃げられない。

本当に寝ざめの悪い夢だよ。

僕はその夢があまり好きじゃなくてね。
あまり夜に寝ないようにしたんだ。
…ははは。君の前で寝不足の姿は見せないようにしていてね。
格好がつかないだろう?

その夢は夜にしか見ないんだ。
だから昼間にこっそりと昼寝をしていてね。
…勿論僕だけの秘密の場所でだよ。

昼間も勿論夢を見るんだけど、夜とは違ってね。
僕は誰かと会話をしているんだ。
…何を話しているかまでは覚えていないよ。
だた…親しく話している感じではなかったかな。
何ともいえない他人行儀…といった感じだよ。

延々と話していて、ハッと目が覚めるんだ。
僕が昼寝をしていた時間は一時間もないよ。
それなのに疲労感が酷くてね。
出陣した時の疲労感とは全くの別物だよ。
心に圧し掛かるような、肉体の疲れじゃないんだ。
それでも燃えるよりはマシだと思っていたよ。

ある日いつも通り昼寝をしていた時だった。
いつもなら覚えていないはずの会話を、僕はその日覚えていたんだ。
全部ってわけじゃないよ。
相手が僕に言った

「君だけズルいじゃないか」

跳ね起きたよ。
心臓がドッドッって走っていて、嫌な汗もかいていた。

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