第2章 嘘つきな心
なみside
その日のバイト終わり
松本くんと一緒に外に出ると
やっぱりゆうちゃんは
いつもと変わらず待っていてくれて…
いつものようにゆうちゃんの所へ
走り出そうとすると
そんな私の手を松本くんが掴む…
「何……どうしたの…………(笑)?」
捕まれた手の力強さにびっくりして
そう言って笑いながら振り返ると
松本くんの手に引き寄せられ
なぜだか私の体は
すっぽりと松本くんの胸の中に
収まる形になる……
松本くんに
抱きしめられているというこの状況に
驚きすぎて何も言えず
固まっていると…
「手伝うって言うたやんか(笑)?」
そんな松本くんの声が
耳元で聞こえて
動けない私の顔に
松本くんの顔がゆっくりと近付いた……