第50章 ほっとけーき
M side
本当に美味そうに食べてくれるんだよな。
俺、翔さんの為ならいつでも、飯作るよ?
ってそんなこと考えてる場合じゃないか
俺を避けてる理由
ちゃんと聞かなきゃ
翔さん、緊張してる?
聞く方も緊張する
軽く飲む?
いや俺が少し飲みたい
グラスをゆっくり傾けながら
翔さんがぽつりぽつり話し始めた
『ごめん松潤。こんなこと言われて困ると思うし気持ち悪いって思うかもしれない。言うことは俺の自己満足かもしれない。でも聞いて欲しいんだ。
・・俺・・松潤が好きなんだ。もう気持ちが誤魔化せなくて逆におかしな態度取ってた』
は?
今、何て?
好きって俺と同じ意味の好き?
黙ってしまった俺の態度で
否定と捉えてしまったのか
翔さんはごめんって小さく呟くと
グラスに残った酒を一気に飲み干した
「いやその待って違う!いやその、好きって・・」
『恋愛感情で好き。本当にごめん。好きになってごめん。困らせてごめん』
「待って、俺も、俺も好きだよ」
俺も同じ気持ちだって伝えたくて翔さんを抱きしめた
『うそ。俺のためにそんなこと言わないで』
俺の腕の中で、もがいてる翔さん
ごちゃごちゃ言ううるさい口は
こうしてやる
俺の唇を重ねると
大人しくなった